投稿日:2022年06月22日 カテゴリー:企画展示
小田急電鉄2200形は1954年に登場しました。直角カルダン駆動方式を採用した高性能電車の第1世代として知られています。それまで、わが国ではまだ高精度の歯車が切削できず、いくつかの鉄道会社が試みるも失敗が連続していましたが、米国の加工機械が輸入されて正確な曲がり歯が製造可能となり、これを用いた小田急2200形、東急5000形が成功し、わが国の高性能電車の発展の出発点となっています。2200形に用いられた歯車は、米国Gleason社のNo. 26 Hypoid Generatorで切削され、Tocco社の高周波焼き入れ装置で熱処理された、精密かつ耐久性に富んだスパイラルベベルギヤ (曲がり歯傘歯車)で、当時の最高技術レベルの歯車であり、このおかげで直角カルダン駆動装置が実用可能になった記念碑的な部品です。戦後の高性能電車の高速化において技術的にも重要であり、小田急電鉄株式会社の協力を得て2022年に展示に至りました。