三谷烈弌氏は、日本放送協会(NHK)国際局のプロデューサーとして活躍し、日本の産業を海外に紹介する番組を数多く手がけた。鉄道をテーマとしたものも多く、国鉄の海外交流(アジア鉄道首脳者懇談会など)や特急「こだま」の運転開始、東海道新幹線開業前の海外来賓を招いての試運転などには国鉄から招待されて同乗取材をしている。芝浦工業大学豊洲図書館ではご遺族から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な所蔵品として、趣味の鉄道アルバム、鉄道趣味に関する自伝がある。
菊地文雄氏は、戦前より活躍した鉄道模型のスクラッチ・ビルダー(注1)である。1960年前後に『模型と鉄道』誌などに多数の製作記事を執筆してHOゲージの普及に影響を与えた。芝浦工業大学豊洲図書館ではご遺族から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な所蔵品として、発展途上期の鉄道模型車両がある。
(注1)既存の形がまったくない状態から形を作ることをホビーの世界では、「スクラッチビルド」と言い、一番難しいとされる技術。
築島裕氏は、東京大学文学部などで国文学者として教育研究に携わる一方、鉄道きっぷの収集も行った。芝浦工業大学図書館ではご遺族から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な所蔵品として、時系列鉄道切符コレクション(1953年~2000年発行)アルバム約60冊、テーマ別鉄道切符コレクション約60冊がある。
星晃氏は、国鉄において進駐軍向け客車や軽量構造客車の設計などに携わるとともに、実務的、趣味的の両面から多数の記事を執筆して、戦後の鉄道発達の記録を残している。芝浦工業大学豊洲図書館ではご遺族から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な所蔵品として、執筆書、国鉄時代のアルバム「わが国鉄時代」、関係者に配布された記念品などがある。
羽深製作所は、鉄道・バス用の方向幕装置などを製作したメーカーである。スプリング式の方向幕巻取器をはじめ、数々のユニークな製品を生み出した。また、車両用のローラーカーテンも主力製品であった。最盛期は約30名の従業員で方向幕巻取器の月産2,000台を記録したが、その後LED化の進展により下火となった。芝浦工業大学豊洲図書館では羽深隆氏から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な所蔵品として方向幕巻取器、ワンマン出入口表示器、ドット式行先表示器がある。
岸由一郎氏は、交通博物館および鉄道博物館の学芸員として活躍した。北陸地方を中心とするローカル私鉄の調査や廃線となった鉄道の保存への取り組みで知られた。芝浦工業大学図書館ではご遺族から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な収蔵品として、北陸地方のローカル私鉄に関する車両部品や駅備品、部内資料がある。
関長臣氏は、国鉄鷹取工場の工場長などを歴任した技術者である。鷹取工場は蒸気機関車の検修で有名かつ国内有数の工場として知られた。芝浦工業大学豊洲図書館ではご遺族から寄贈を受けて、所蔵管理を行っている。主な所蔵品として、シェイ式蒸気機関車の一番ゲージモデル、時刻表約50年分、車両検修資料がある。
ご寄贈いただいた鉄道関係雑誌「鉄道ジャーナル」「鉄道ダイヤ情報」「鉄道ファン」「鉄道模型趣味」「鉄道ピクトリアル」「Rail Magazine」「RM MODELS」「とれいん」の中から1990年代、2000年代発行のもの、および単行本の合計約1,400冊を書架に並べている。利用者は自由に閲覧することが可能。